半襟を自分で縫いつけよう

着物を着る際に必須となる半襟についてです。

半襟(半衿)とは

半襟をつける
長襦袢に縫いつける長い布
汚れやすい襟元を保護するためにつける
※正絹は気軽に洗えないので、半襟があると汚れたときに外して洗える。ただし正絹の半襟の場合はやっぱり洗えないので、ベンジン等で汚れ落としをする。

長着(着物本体のこと)から見えるように着付けるため、ワンポイントのお洒落ができる。

半襟の素材

着物と同じく、正絹・化繊・木綿など色々あります。
季節によって、織り方の違うものをつけます。

冬:塩瀬
夏:紗・絽
初夏・初秋:楊柳
など!

正装では、季節を問わず塩瀬(羽二重のもの)が多いようです。

お洒落着では厳密にルールを気にする必要はないので、ガーゼや手ぬぐいを半襟にしちゃってもカジュアルでかわいい模様を楽しめます。

半襟の色

女性のものに比べれば、男性は基本地味です。
普段着やちょっとしたお出かけ着までは黒~暗い色が多く
礼装になると白一択でしょう。

女性ですと、かなりさまざまな色の半襟が楽しめます。
かなり高価な、精巧な刺繍半襟などもあります。

ただ、赤は若い女性の色(見習いである舞妓さんが半襟につける色)と考える向きもあるので、既婚の女性は避ける傾向があるらしいです。

半襟のつけかた

定番は縫いつける方法ですが、お手軽なピンで留める・マジックテープで留める・半襟用両面テープで留める、という方法もあります。

ただし安定感はやっぱり縫いつける方が高いので、坂上は基本縫っています。
縫い目が見える訳ではないので、「どうせ見えない」を合い言葉にちゃっちゃと縫ってしまうといいです。

余談ですが、以前長襦袢を仕立てたときにあわせて半襟もつけていただきました。
さすが和裁士さんがつけてくれた半襟は、見惚れるほど美しく縫われていました。
まあ縫い目は見えないんですが・・・。
しかも1回着たら引っぺがしましたが・・・。

半襟付けをプロの和裁士さんにお願いする場合は、報酬1,000円前後が多いようです。
これだけでは頼みづらいので、なにかのついでのときくらいでしょうかね。

実際の手順

必要なもの
半襟

縫い針
まち針

可能な限り簡単にいきます。

半襟 つけ方長襦袢の背中心の延長に、半襟の中心をあわせてまち針を打ちます。

さらに左右に1本ずつまち針を打っておきます。

あとは縫っていくだけ。
縫いはじめとおわりは、返し縫いを。

首の周りにあたる部分は若干詰めて縫いますが、雑なもんです。

合い言葉は「どうせ見えない」と「どうせ2回くらい着たら引っぺがす」で(増えた)。

坂上は生来の不器用ゆえ、雑に縫っても30分くらいかかります。
が、器用な方なら10分くらいじゃないですかね?

手間をかけても報われるところではないので、できるだけ手を抜くことをおすすめします。
もちろん端を内側に織り込んで縫ったほうが、仕上がりはきれいですがどうせ見えないし・・・
端が長すぎると、着たときに外側に折れてはみ出してしまうという事態になることもあるのでご注意を。

何回かつけると、手を抜くコツも得られると思います。

女性の半襟

女性の着物は衣紋を抜いて着用するため、かたちを作るために芯が必要です。

大別すると、差し込み式と縫いつけ式

差し込み式は、縫いつけた半襟の中に芯をつっこむもの。
プラスチック製が多いです。
柔らかさなどいろいろあり、坂上はこの2種類を使っています。

縫いつけるものは三河芯が定番です。
三河芯は木綿でできてますので洗濯が可能です。

三河芯に半襟を縫いつけて、さらに長襦袢に縫いつけます。
これはいちばん手間がかかりますね。

半襟のつけ方襟周りをぐるっと囲むものなので、長さはあります。

今回は洗えるシルクでできた半襟に、三河芯を縫いつけてみます。

どうせ見えないので、手洗いに耐えられる程度の強度があればじゅうぶんです。
三河芯はかなり固く、針が通りにくいのでけがに注意です。

半襟のつけ方裏返した半襟に三河芯をのせ、端を折ります。
アイロン出すのはめんどくさいですが、やっぱり折り目はきれいにつきます。
折り目が付くのも早いので、アイロンを使ったほうが結局は時短になりますね。

適当にまち針をうち、端から縫っていきます。

半襟のつけ方両サイドとも縫いおわりました。この程度の雑な感じでじゅうぶんです。

半襟のつけ方つけおわったら半襟の真ん中と長襦袢の背中心をあわせてまち針をうち縫っていきます。
これは長襦袢は内側、半襟は表側をあてています。
矢印のところが背中心です。

半襟のつけ方背中心から縫い始め、首周りはちょっと細かく塗っていきます。が、下の方は雑でOK
片方がおわったら、また背中心から残り半分を縫っていきます。
矢印のところが縫いはじめです。
内側を縫いおわったら、半襟を半分に折って外側も縫っていきます。

半襟のつけ方できあがりました~。
この黒い長襦袢は、美夜古企画さんでお願いした麻のものです。
春→夏→秋と出番がいちばん長くてお役立ちアイテムです!
もちろん白もありますよ~。

美夜古企画さんは、そのほかにも木綿をメインにした袴と半着などがお手頃価格でオーダーできます。
坂上家はほかにも木綿の長襦袢・羽織などお願いして活用しています。

気軽に着れる和の衣装、羽織・袴、作務衣(さむえ)、着物、武将隊や舞台衣装のイベントなどの衣装もお任せ下さい。とんびコート、マント、ケープまで、オーダーによる仕立て注文を承っております。お気軽にご相談下さい

まとめ

女性と男性の半襟を比べてみると、やっぱり男性の着物の簡単さがわかりますね。

半襟と襦袢ともポリエステルのものにすれば、つけっぱなしで洗濯可能です。

share

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

follow

コメント

  1. 五島鎧影 より:

    はじめまして。去年より戸山流を習っている五島と申します。
    カスタム居合刀の検索で立ち寄り、その他いろいろな面で参考にさせていただきました。
    知っているようで曖昧な点も多く、流派、団体による違いも良い知識となりました。
    居合に興味を持っていただけるような、さらなる更新を期待いたしております。
    大変面白く、勉強になるページを作っていただき、感謝です。

    • 坂上 より:

      わあ!コメントありがとうございます。気づくの遅くて申し訳ございません。

      更新が激遅ですが、当流派にひとりでも新会員さんを呼び込むため少しずつページを増やしていきたいです・・・。
      居合は古流がとても多くて、それぞれの違いが面白いですよね♪